脂肪吸引の手術では、安全性を考慮して全身麻酔は行いません。
静脈麻酔と硬膜外麻酔を併用して治療が行われます。

手術を行う部位によって、麻酔の方法は変わります。全身麻酔は危険性が高いので、手術前の検査や入院が必要になります。日帰りで受けられる脂肪吸引の手術には全身麻酔は適していません。脂肪吸引では必ず麻酔をかける必要があります。主な麻酔方法は、局所麻酔を中心に静脈麻酔、硬膜外麻酔などと組み合わせることで麻酔量を最小限に抑えます。
脂肪吸引の施術部位や施術範囲、患者の体質などによって適した麻酔法があります。また、患者さまの不安を和らげる目的で、意識があるままよりも麻酔によって眠ってもらうほうが良い場合もあり、その場合は麻酔方法も限られます。一般に、意識がないままの施術の場合は「静脈麻酔と局所麻酔(チューメセント法)」の組み合わせになります。反対に、意識があるままの施術では「硬膜外麻酔」という麻酔法になります。また、施術部位に直接注射器で局所麻酔をかける方法もあります。ただし、局所麻酔のみで広範囲の手術を行うのは苦痛が伴います。麻酔が効いてしまえば痛みはありませんが、麻酔の注射を何本も行うのは痛みが伴います。そのため、患者さまの負担を考慮すれば一般的な方法ではありません。
お腹や太もも、ふくらはぎであれば、硬膜外麻酔や局所麻酔を組み合わせて麻酔を行います。
硬膜外麻酔とは、背中からカテーテルといわれる細い管を挿入し、意識はそのままで痛みだけを取る麻酔法で、お産の時などには無痛分娩の麻酔として使われる体の負担が少ない麻酔方法です。
硬膜外麻酔の効果は、その麻酔効果だけでなく、注入する局所麻酔の使用量を減らすことができる点でも広範な脂肪吸引の場合はメリットがあります。
使用する麻酔量を少なくでき、体の負担をさらに少なくできるのです。
現在は静脈麻酔との併用で硬膜外麻酔で痛みを取り、半分寝た状態で手術を行うため全身麻酔と同等の効果があります。

● 硬膜外麻酔
硬膜外麻酔とは、硬膜外腔という神経が密集した場所に背中からカテーテル(細い管)を入れ、このカテーテルから持続的に麻酔薬を注入する方法です。硬膜外麻酔では意識があるまま広い範囲を無痛にすることができます。下半身の脂肪吸引に適している麻酔法です。術後少し休んで、特に身体に異常が無いことを確認できたらそのまま帰宅できる安全性の高い方法です。

● 静脈麻酔
静脈麻酔とは、点滴によって麻酔薬を注射し、一時的に眠って局所麻酔時の痛みを感じなくする麻酔法です。静脈麻酔が効いた後にチューメセント法(ハイパーウエット法)という局所麻酔法によって施術部位に麻酔をかけ、まったく痛みを感じないままに施術を行うことができます。寝ている時間は20~30分くらいで、最初に眠ってしまうことによって施術への恐怖心を和らげるメリットもあり、麻酔が切れてくるとうっすらと意識がある状態になります。点滴により麻酔を行います。効果時間の短い麻酔薬を使用するため、施術範囲が狭い場合や短時間で痛みの少ない施術に用いられます。一般外科手術などにも用いられる一般的で安全な方法です。静脈麻酔では麻酔前に最低6時間は絶食を行う必要があります。

● 局所麻酔
局所麻酔とは、施術部位に直接麻酔をかける方法です。施術部位の痛みを完全になくす方法で、脂肪吸引における局所麻酔法は「チューメセント法(ハイパーウエット法)」という麻酔法が主流になっています。チューメセント法(ハイパーウエット法)とは、生理食塩水やリンゲル液で薄めた局所麻酔薬に止血剤(血管を収縮させる薬)を混ぜて 皮下層に注入し、出血と痛みを抑えながら血管や神経、結合組織のダメージを避け、安全に脂肪吸引を行うための麻酔方法です。手術の範囲が狭い場合にとても有効的で安全な方法です。

● 全身麻酔
全身麻酔は、麻酔ガスを吸入して長時間眠った状態にする麻酔方法です。意識を完全になくすことで痛みだけではなく患者の恐怖心を和らげるメリットもあります。しかし、全身麻酔は体の負担が大きい麻酔法であるため、施術前に血液検査やレントゲン検査、心電図検査などを必ず行って、全身の脂肪吸引に耐えられる状態なのかを確認する必要があります。また、施術前に最低6時間以上の絶食が必要で、術後に十分な休息をとる必要があります。他の麻酔法と比べると身体にかかる負担が大きいため、当院では行っておりません。